管理社会VSシーフードカレー

いくつもの時代にわたる管理社会とシーフードカレーの戦いを描いたオムニバス映画です。

結局のところ仕事がつらくて泣きそうだっていうだけの話

文章を書く仕事をしている。具体的な業界は伏せるが、会社に雇用されるかたちで、とある分野の広告にかかわる文章を書いている。 文章を書いている、とは言ったものの、正確にはあまり自分では書いていない。社内の「編集・検品」というセクションに回されて…

移転しました(していました)

報告すべきタイミングがあったとすればだいぶ逸したことになるが、ブログを移転した。ここを捨てるわけではないけれど、新居のほうではよりフィクションに絞ったことを書いているので、棲み分けを。 おいしくなって新登場。 note.com

スッタ・ニパータ(未来語訳)

なんだか地味だが、サイは意外にも一角獣なのだ。だから、南アジアなんかでは神聖な動物として敬われているらしい。そんなはなし聞いたことないけど。 もっと、ボクたちのことをよく知ってくだサイ。 そうだね。 ぺしぺし。 サイの角は意外にも硬いものだ。…

オラにTポイントを分けてくれ!

「レジ袋はご利用ですか?」 「大丈夫です」 なにが「大丈夫」なのだ。 レジ袋有料化以来、このような往復を幾度となく繰り返している。嫌というほど自覚しているのにも関わらず、店員さんの前でこのような「優良健康男児宣言」をしているのには、いちおう理…

他人について書くことができなくなった

表題の件です。 という、ビジネスメール風の一文。 それはともかくとして、本当に他人について書くことができなくなった。 工場でバイトしていた頃は、同僚やら先輩やら後輩や社員やら、あるいはそのへんですれ違った人やらのことを、勝手に心情を推し量って…

ハイボール2

今日、神保町のバーでカナディアン・クラブとカティサークをハイボールで飲んだ。 二人組の女の子の前でかっこつけた。 その後、そこから少し歩いた所にあるガールズバーで、山崎と角瓶とバランタイン・ファイネストをハイボールで飲んだ。 わざと寂しがって…

汗と火花の夢から醒めて

それは、おれが遂げたことじゃない。 おれを通した労働力がやったことだ。 だから、見えない涙が流れているんだね。 Nさんは、今ごろどこで何を見ているのだろう?

土曜日→( )→月曜日

病院に行った 2週間ぶんの睡眠薬をもらった お酒は控えてください、と言われた バッティングセンターに行った バッティングを2ゲーム、ストラックアウトを1ゲームプレイした ドンキホーテに行った くつ下と洗剤を買った 古本屋に行った やなせたかしの絵本を…

5/11近況報告(利き手でない方のあこがれ)

昨晩、とてつもなく後味の悪い夢を見て、午前3時ごろに目を覚ました。そうして夢の「えぐみ」に唇を歪めながら再び入眠すると、こんどは、カルト宗教のイニシエーションかと思うような、幻覚・幻聴まがいの夢。 どうしたことか。 しかもだ。今こうして仕事終…

雪の峠でポン・カンナ・カムイが語った(ピザまん冒険奇譚④)

すべての胎児は詩人であった。なぜなら人は、地上に生まれる前にこそ、言葉の中で暮らしていたからだ。 地上の言葉は、まやかしである。そして、君たちがかつて詩人であったことを思い出すには、今や、ある場所へと足を運ぶしか方法が残されていない。 京成…

派遣社員 島耕作

夢の中では、しばしば「自分が何者であるか」が交錯する。つまり、過去と現在と未来が一本の線であることを止め、あらゆる経験と願望と後悔が、同じ顔をしてやってくる。 たとえば、こんなふうに。 ◆◆◆ 見知らぬゲームセンターに来たけれど、お目当てのゲー…

ドラッグストアのシャーマン

断言をするほどではないが、基本的に、アイドルや女優といった「(程度の差こそあれ)商品性を内包している女性」を好きになれない。可愛い、とか、美人だ、といった感想を抱くことはあったとしても、好意や憧れは芽生えないのだ。理由? 知らない。多分こう…

見たか聞いたか坊主たち

左から、文殊菩薩・虚空蔵菩薩・地蔵菩薩・普賢菩薩。 EVERY SATURDAY NIGHTでは、彼らの間でひっそりと入れ替わりゲームが行われる。 人間は、彼らの配置が変わっていても案外気付かないものである。 しかし地蔵菩薩だけは、頭が丸いせいで、移動がすぐにバ…

濡れる女神の空拳(ピザまん冒険奇譚③)

「あなたが落としたのは、今あなたがいるポストに少し前まで座っていた人間ですか? それとも、変性意識?」 泉の女神の手には、何も握られていなかった。おれが落としたのは、ハッピーセットでついてきた潜水艦のおもちゃだった。でもそいつを落としたのは…

思い込みが強いわりに想像力が欠落してるヤツは蜘蛛の糸でバンジージャンプでもしていればいい

蜘蛛の糸を伝い昇るカンダタが、利己心を起こさずに罪人たちを極楽へ導いたとしたら、蓮池のふちには地獄の難民で溢れかえるだろう。釈迦よ、どうやって引き取るつもりなのだ。 「ええ、そうなんですよ。ちょっと極楽の瘴気にあてられちゃったみたいで。すい…

(包摂的虚無としての)無題

私事だが、数日前に父方の祖母を亡くした。 かといって、この場で祖母の思い出をしみじみと語ろうという気はない。もちろん感情はある。ただ、身内を亡くすと(一種の被害妄想なのだろうが)しばらくの間、周囲から「身内を亡くした人間らしさ」を要請されてい…

まどろみのカナディアン・ライダー(ピザまん冒険奇譚②)

カナディアン・ライダーはカナダ人である。 カナディアン・ライダーはカナリアの国を目指している。 カナディアン・ライダーに「絶対に」マッチを擦らせてはならない。 途方もない荒野の上に、乱暴に敷かれた砂利道。その路傍には昔のヒッピー・コミューンの…

ピザまん冒険奇譚

誰が買ってきたのかはわからないが、冷蔵庫の奥にピザまんがひとつ入っていた。 その日はなんとなくピザまんが食べたいと思っていたし、ピザまんとしてもそろそろ食べられておかないと食品としての寿命を不本意なかたちで終えてしまうだろうから、この出会い…

苦しみのアジア、無心の反芻

満員電車がつらくて、途中の駅で降りてしまう。ホームのベンチに座り神経を整えるが、はたして、こんな調子で朝出勤の仕事に就くことができるのだろうか。そして彼(彼女)らはなぜ無事でいられるのだ? とりあえず本を読む。 きょう買ったばかりの、アジア地…

Jの波浪にのせられて

朝起きたらすぐにJ-WAVEのラジオをつけて、洗濯やら皿洗いやら軽い掃除やら弁当の準備やらを2~3時間かけて済ます。そうして仕事に行く。もちろん朝食は欠かさない。それがここ最近の朝のルーティンだ。夜は休眠、朝に用事で調子保持。 さて、そのJ-WAVE。き…

峻別からはじまるもの――または、もう孤独なのかも!

実家のマンションの近くに、小さな保育園がある。 ちょうど一年前、近所の川沿いで職員さんの名札が落ちていたのを発見して、それを届けに行った。そのときお礼を言ってくれた保育士さんの溌剌とした笑顔が良くて、お世辞にも整った容姿のひとではなかったけ…

ぼくの傘を持っていかないでください

神田にある小さなラーメン屋で豚骨ラーメンを食べた。雨ふりの午後二時過ぎ、いくらか遅めの昼食だった。 替え玉を一玉だけおかわりし、スープは少し残す。そうして小さくごちそうさまと言い、席を立つ。出口で傘立ての傘を取ろうとする。 しまった。 おれの…

『管理社会VSシーフードカレー』ゴールデン★ベスト(Disc1)

非正規労働者というのは、ほんとうに、悲しくなるくらいに弱い身の上なのだと思う。つくづく。 また仕事の話をするのか、と自分でもげんなりする。ブログ概要には一応おれが劇団活動にも身を置いていることも明記しているはずなのに、劇団の話なんてぜんぜん…

わからないのはわかったからさ、とりあえずおれを赤ん坊にしてくれ

なぁにが戦争反対じゃ。毎朝毎朝あの殺気漂う満員電車に性懲りもなく乗り込んでる時点で既にもう戦争に行ってるんだよあんたらは。ほんとうに戦争したくないのなら、いま一度己の「生きる」をたまねぎ剥きながら問い直してみやがれよ。 どうもはじめまして。…

コンビニ脇の国境線にて

工場での仕事を終えた帰り道、コンビニの脇で二人の中年男が口論していたのを見かけた。風貌からしてどちらもブルーカラー労働者のようだった。きっと同じ会社の同僚同士なのだろう。 二人の会話の内容を仔細に聞いたわけではなかったが、その言葉のやり取り…

ノー・モア・ペイン・トゥナイト(辞表の正しい提出作法)

編プロで働いていた時期のこと。同期で同い年だったTと、帰りのエレベーターでこんな会話をしていた。最初に口を開いたのはTだった。 「三連休だな、明日から」 「うん」 「なんか予定あんの?」 「特には」 「おれ東京ドーム行く。横浜戦」 「いいじゃん」 …

適応が不得手な非正規雇用のおじさんよ

おれの働く工場が増産体制に移行してからというもの、ぞろぞろと新人バイトさんが採用されるようになってきた。毎日のように誰かに新しいことを教えながら仕事を進めているので、すでに手馴れた作業でも普段の1.5倍は労力を要しているような感覚である。 と…

せんたくもののうた(さくし:くれおぱとらの74ばんめのどれい)

ちゃーちゃーちゃーちゃーちゃーちゃちゃー (なんだかいいわね) ぱーらーぱーぱーぱーららー (けっこういいわね) たーらーらーらーらーたーたーたーたーららー (あんがいいいわね) ぴゃーらーらーらーらーぴゃーらーららーらー (とってもいいわね) わたしの…

病人が川沿いを歩いたって青春の殺人者にはなれない

週末から風邪をひいて、休日は床に伏していた。月曜日の今はわりに調子が良い。当然だろう。白血球に気長な仕事をさせず、おせっかいなキャッチコピーの市販薬で症状を黙らせたのだから。 その甲斐(?)があってか、おれの身体は風邪の斥候隊だけを排除しただ…

この世界では誰かが振られると、大瀧詠一は死に、三浦大輔は打たれる

ある女の子をデートに誘おうとしたら、秒速でそっぽを向かれてしまった。最初の一回くらいは多少気に入らなくても付き合ってくれたっていいじゃないか。なんだよ。 仕方がないので、溜め息を吐きながら池袋のガールズバーで呑んだ。大丈夫、失恋までは少なく…