管理社会VSシーフードカレー

いくつもの時代にわたる管理社会とシーフードカレーの戦いを描いたオムニバス映画です。

あの日の『社会は厳しいぞ』おじさんへ。

今でこそ定職に就かずフラフラとバイト生活を続けているが、これでも、新卒の時にはいちおう真面目に就職をした。

 

某テレビ局で、回線技術の仕事をしていた。業務内容を仔細に説明しようとするとあまりにも面倒なので書かないが、ごく簡単に言うと、電波を扱うためにヘンテコな機械を日々いじっていたのである。

 

内定をもらった頃には「そうかあ、おれがテレビ局勤務かあ」と、いかにも新卒らしく胸を期待で満たしていたのだが、結局、半年足らずで辞めた。

 

どんなにそれらしく理由を連ねたところで、言い訳がましさからは逃れられないだろう。別にたいしたことなんて何もない。無菌室で育ってしまった、ごくありふれた若者のごくありふれた挫折。OK、余裕。

 

当時おれの教育係だった上司は、しきりに『社会の厳しさ』のようなことを口にしていた。

 

おれは今でも、『社会』も『厳しさ』もいったい何なのかが分からない。ただ感じ取っていたのは、周囲の人たちの怖さと冷たさだけである。それは、おれが今まで『厳しさ』だと思っていた経験とはあまりにも解離していた。これが大人という生き物なのか。あるいは、これが組織という巨大密室なのか。そういえば、その部署への配属が決定した際、本部の社員に「あそこは陰湿だよ」とボソリと言われたことを思い出した。

 

厳しいのは社会なんかじゃない。あなたたちでしょう。

 

なんだか他責的になってきた。大人の好きそうな『今時の若者』だ。それでもなお、おれはやっぱり言いたい。

 

社会で生きること。それは少なくとも、目の前にぶら下げられたニンジンを追うことではない。

 

 

それにしても、おれはいつまで18歳でいるんだろうか?