管理社会VSシーフードカレー

いくつもの時代にわたる管理社会とシーフードカレーの戦いを描いたオムニバス映画です。

2019-01-01から1年間の記事一覧

終点まで各駅に停まります

今日も、今日も疲れたね。 仕事前や仕事中はいつも言葉を散らかすのに、こうして帰りの地下鉄に揺られる頃には頭が空っぽになっている。 人間を取り戻す時間にこそ、もっともアクティブでいたいのに。 おれはいつ、顔を上げて地表を歩める? 明日は今日なの…

コミュニケーションの鉱脈について

しばらく更新が途切れていたじゃないか。さては飽きたか。 そうだ、飽きた。 でも別に構わないだろう。ちょっと飽きが来たくらいで更新が止んだって。 どうせ誰も待ってないんだから。 おれが書くのを待ってるのは、いまのところおれひとりだけだ。 昨日、そ…

午前2時のシーブリーム

都内某所の、ある安ホテルに宿泊した。 一応都心に位置しているはずなんだけど、設備といい宿泊客といい、ここは東南アジアかと見紛うほどの「二線級ぽさ」で満ち溢れている。 隣室のいびきがクリアに伝わってくるベニヤ壁。何かの暗示にでもかけるつもりな…

そして『恋する惑星』に二度恋をした。

このブログを立ち上げた当初から、そのうち『恋する惑星』について書きたいと思っていた。 おれの大好きな映画だ。 でも、大好きな映画であるはずなのに、いざ書こうとWordを立ち上げてみても、なかなか文章の道筋が見えてこない。『恋する惑星』という作品…

終わりと始まりが溶け合う車両

新宿。 ある知人と一緒にカラオケで一晩歌い明かす予定でいたのだが、もろもろの事情があり、キャンセルになってしまった。 夜の雑踏に取り残されたおれは、結局そのままひとりカラオケ店に入った。 でも、特段歌いたかったわけではない。きっと何かを埋め合…

自意識びんびん読書生活

自分のスマホには「青空文庫」のアプリがインストールしてある。 メインの読書媒体ではないものの、職場の休憩時間などでちょっとした作品を読むのに助かっている。 おれは「仕事の時間」から一歩でも外れた瞬間から嬉々として殻に閉じこもるタチの人間なの…

あの日の『社会は厳しいぞ』おじさんへ。

今でこそ定職に就かずフラフラとバイト生活を続けているが、これでも、新卒の時にはいちおう真面目に就職をした。 某テレビ局で、回線技術の仕事をしていた。業務内容を仔細に説明しようとするとあまりにも面倒なので書かないが、ごく簡単に言うと、電波を扱…

ベトナム人と夢見る洗い場

冷凍ピザの工場で働いている。 今日、その工場の洗い場で、鼻歌を歌いながら仕事をしていた。モップスの『たどりついたらいつも雨ふり』だ。鼻歌に意識をとらわれ過ぎて、うっかり容器に入った水を自分にぶっかけてしまったが、特に苛立ちもしなかったし、隣…

白いモノリスfeat.トルストイ(ラム&コカ・コーラRemix)

書きたいことが特にない。 でも、とりあえず白紙の前に立っていれば、何かが語られるような気がした。モノリスに触れるサル。午前三時。ラムとコカ・コーラ。求不得苦。 書くことが、好きで得意なときと、嫌いで苦手なときがある。今はどちらなのか分からな…

ヒー・ダズント・ライク・アレコレ

スポーツは好きだけど、体育会系は嫌い。 男気は好きだけど、男社会は嫌い。 勉強は好きだけど、授業は嫌い。 先生は好きだけど、教師は嫌い。 コミュニティは好きだけど、軍団は嫌い。 コミュニケーションは好きだけど、つるむのは嫌い。 ひとりでいるのは…

ジョン・レノンと火星人と示唆

少し前に作成した記事『監視社会VSシーフードカレー』のタイトルが妙に気に入っている。ただ単に高橋源一郎の『ジョン・レノン対火星人』っぽいから好きなだけだろうが、一見相関の無さそうな名詞を対立させたらなんとなく示唆的になるのは面白い。 ためしに…

好きだったK君の失踪について

今まで自分の仕事に関しては一切言及してこなかったが、現在、冷凍ピザの工場でアルバイトをしている。特に説明すべき理由はない。ただ、色々なところでうまくいかなくて、今ここに流れているだけの話だ。 では、なぜ仕事の話をしようと思ったのか。それは、…

イノセントなポテト

マックでフィレオフィッシュのセットを注文した。 店員の女の子が「サイドメニューはポテトでよろしいでしょうか」と、事務的過ぎるあまりかえって究極の無垢とも思える表情で訊いてきた。 セットのサイドメニューはポテトであるという暗黙の合意が、連綿と…

もう一度BUDDHA BRANDに出会えたら

BUDDHA BRANDの『人間発電所』を聴く度に「ああ、もう一度初めて聴いてみたいなあ」という思いに駆られる。 初めて出会ったのは、確か19歳の頃だった。当時おれが知っていた日本語ラップアーティストといえばRHYMESTERやキングギドラやKICK THE CAN CREWやス…

物語にしたかった昨日たち

ビールを飲んでいたら突然回文を作ってみたい欲求に駆られ、引き出しから汚いメモ帳を取り出した。ページを開くと、警備員時代に書き記したアレコレがミミズの字で残されており、つい目に留まってしまった。引っ越しのための荷物整理をしていたら、長らく存…

ダニエル・キイスの卵豆腐

眠りの浅瀬に立って、無意識の海に身を沈めようとしているその瞬間、突然天啓を授かることがある。何だったんだ、今のは、と思う。記憶に留めておきたいと思う。でも、ものの数分で、別の考え事や俗世の喧騒にかき消されてどこかに忘れてきてしまう。 ところ…

痺れる舌

トリスのウイスキーをロックで飲む。 おれは、味の違いも分からないくせに「やっぱり安い酒だな」と思う。 トリスは、おれの気持ちも知らないくせに「お前も安い人間だけどな」と思っている。

ヘミングウェイに挨拶だけして帰る

例外の時期はあれど、基本的に、あまり勉強が出来ない子だった。 大まかな成績分布で言えば、中の下くらい。何かが飛びぬけて優秀だったぶん、他のどこかの領域が壊滅的だったというわけでもなく、ただ、全体的に「ぼんやりと」低成績だった。要するに、メリ…

気まぐれジン・トニック

あるアーティストのある曲の素晴らしさを讃えたくなってキーボードを叩き始めたのだけれど、書きながら飲もうと思っていたジン・トニックがあまりにも美味すぎて、書く気が失せてしまった。 なので、ジン・トニック的気分について、急な思いつきで書いてみよ…

他人、アルコール、松本人志

ビールやウイスキーを乱暴に飲んだせいか、今、ひどく頭が痛む。 6時間前、ハイネケンを飲みながら、DVDでダウンタウンのコントを見ていた。 途中までは痴呆みたいな顔をして笑っていたのに、動物園のネタが始まったあたりで、突然、ありとあらゆる不安と焦…

目覚めても虚構

池袋の新文芸坐でイングマール・ベルイマンの映画を観た。この監督の映画は以前にも観たことはあったが、正直なところ、特別好きというわけではない。 ただ、映画が観たかっただけだ。 「映画を観に行く」という行為はまあまあ好きだ。そのくせ、「映画」そ…

ジム・ビームを隔てた彼女。

803号室。 しらすのペペロンチーノ。 ドアーズ。 共産党宣言。 矢口書店。 恋する惑星。 救世軍。 ゲイリー・オールドマン。 靖国通り。 名前つきの歯ブラシ。 優雅で感傷的な日本野球。 夜と霧。 めくらになって夢を見る。 黒塗りの街宣車。 なぜこんなに生…

監視社会VSシーフードカレー

インフルも峠を越してだいぶ体が楽になった。まだ微熱が残っているけど、平熱に戻ったところでどうせ数日は職場に復帰出来ないのだから、せっかくだし、生活を楽しもうと思った。 なので、冷凍エビを使ってシーフードカレーを作った。 「生活」とは「シーフ…

毒矢とインフル

やたらスケールのでかい風邪だな、もしや。と思い病院で検査したら、案の定インフルエンザに罹患していた。 インフル大流行が騒がれている中で感染するのは、いくらなんでも芸が無さ過ぎる。つまらない。凡庸だ。せめて8月真っ盛りにかかっておけば非凡を気…

出来損ないの兄弟を捜して

まどろっこしさの回避のために本題をド頭に配置するが、今回も、過去なんやかんやあってフォルダの片隅に押し込められていた文章を供養してやりたいと思う。正直供養というよりは、最後の審判のために墓場から叩き起したみたいだけど。 まあ、地獄の業火に灼…

突如としておれに訪れた吉田美奈子ブーム

車窓には、上野の夜景。おれの網膜には雑多な街並みが流し込まれ、そのぶん押し出されるように、吉田美奈子は別れも告げず去っていった。……。文末っぽいことを冒頭に書けばなんとなく都会的カッコよさが漂うと思ったけど、特にそんなことなかったぜ。ところ…

デヴィッド・ボウイがビーフィーターを飲む

池袋の新文芸坐でニコラス・ローグの『地球に落ちて来た男』を観てきた。 二本立てで同監督『美しき冒険旅行』も上映していたが、すぐにケツが痛くなってしまったので一本だけ観て帰った。『美しき…』は前に観たことあるし、まあいいかな、という気持ちで(そ…

あれから少し経って

公演を終えてからの初めての睡眠から目を覚ました時、ああ、戻ってきたな、と実感した。日常とか、現実とか、俗世とかなんとかに。 朝に寝て昼過ぎに起きたもんだから、まともに眠れた気がしない。そのくせ夢だけは妙に鮮明で、公演どころかこれまで約半年間…